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ソレイユニュース 2022年4月号

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東京藝術大学音楽学部邦楽科筝曲(山田流)専攻に、佐倉由華さんが合格しました。

 

佐倉さんは、藝大附属高校(以下、藝高)在学中、藝高の広報誌にインタビュー記事が掲載される程の折り紙付きの優等生でしたが、藝大受験は共通テストを含め、外部からの受験生と同一の試験を受けなければならず(いわゆる推薦入学制度がありません)、合格発表を見るまでドキドキでした。

 

藝高に入学してからも、3年間ソルフェージュ、楽典、ピアノのレッスンに通い、音楽基礎力の向上を目指し頑張ってきました。

 

コロナ禍中、実技レッスン以外は全てリモートだった藝大も、この4月から対面講義を再開させるそうで、新しい環境で仲間たちと共に益々腕を上げ、多方面で活躍する筝曲奏者になっていってほしいと思っています。

 

佐倉さんの今後の活躍に注目です❗

 

 

3月29日(火)、その佐倉さんと一緒に『藝大21《奏楽堂企画学内公募》最優秀企画《朔夜姫》─続・竹取物語─』を鑑賞してきました。

 

邦楽科日本舞踊専攻の大学院生   飯森詩織さんが企画、日舞専攻生に、三味線・箏・囃子・笙の邦楽専攻生、ソプラノ・テノール・バス・ヴァイオリン・コントラバス・ピアノの洋楽専攻生による劇音楽と、美術学部生による舞台美術・衣装、音楽環境創造学科専攻生による音響、楽理専攻生による舞台監督などの裏方等、藝大生の才能か集結しました。

 

舞台は竹取物語から800年後。かぐや姫が残した不老不死の薬を飲んだ者たちが人間世界で暗躍しているのを知った娘の朔夜姫は人間界に下り…、というオリジナルの筋書きがユニーク。

 

各登場人物の心情を音楽のモチーフで表現したり、長唄の唄方(うたかた)が言葉で情景を表したり、物語の内容を掴み易くする工夫が豊富。

 

バレエのように舞踊だけで物語を進行する“日舞による劇”という形式は、今までありそうでなかったですし(歌舞伎にはセリフがあるので演劇の範疇でしょうか)、かぐや姫のモチーフを歌うソプラノの日野祐希さんがゾクッとするほど上手かったり、笙の響き、箏の音色、ヴァイオリンの旋律が効果的に使われ、江戸時代を表す三味線が変わった調子で音を奏でる劇伴を作曲した松永悠太郎さんと杵屋小三郎さんのセンスにも感心しました。

 

舞台美術は、複雑な色に染められた長い短冊状の布を舞台全体に配置するという簡素な装置でしたが、照明や配置の方法などで巧みに場面転換でき、幻想的な舞台を創造していました。

 

とりわけ美しかったのが衣装です。元禄時代風の色鮮やかな着物と平安時代風の羽衣のような狩衣が、日本画のように美しい色彩の取り合わせで、舞台装置の短冊状布の色々と溶け合い、舞台の完成度を増していました。

 

藝大生の音楽と美術の才能が融合する瞬間に、何度も鳥肌が立つ素晴らしい作品でした。

 

幻想的な舞台が終わった後、余韻に浸りながら会場を後に。

 

上野公園の夜桜がひとひらも散ることなくぷっくりと満開で、心も目も満足しながら、心豊かに家路に着いた夜でした。

 

 

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