私が子供の頃、近所にセントポーリアを育てている方がいて、温室を作ったりして熱心なご様子でした。こじんまりした庭や玄関などに可愛い色とりどりのお花をセンス良く植えられていて、通りがかりの人を喜ばせていました。

30年以上前ですから、いわゆるガーデニングの先駆けといえるのでしょう、庭先に植木鉢を並べ、梅や桃を育ててきた近所に住む人たちは、ヨーロッパナイズされたその庭を驚きを持って眺めていました。家の前を通っては立ち止まり、その庭を褒め、花の栽培方法などについて訊ねていました。

一軒家が立ち並ぶパリ郊外に住んでいたとき、雑誌に登場するような素晴らしい庭に沢山遭遇しました。どの家もイギリス風に植木が刈り込んであったり、芸術的にお花が植えてあったりと手間が掛かっています。職人さんにお願いしているのかと思いきや、日曜日などにご主人や家族で草の刈り込みや植木の手入れを行っていました。

ヨーロッパでは職人の数が足りないのか、費用が高いのか、庭の手入れや家の修理などを家族で行う人が多く、素敵なドアノブや水道栓、扉などがDIYショップで購入できます。部屋のペンキ塗り、ちょっとした家具なども手作りです。

近頃日本でもガーデニングやDIYが流行り始めていて、手が行き届いている素敵なお庭を見掛けるようになりました。DIYのYOUTUBEなども沢山制作されていて、古い家が素人の手で綺麗になっていくのを見るのは大変興味深いことです。

ご自分所有のアパートをDIYで改装していたらプロのような仕上がりが評判を呼び、定年退職後の仕事になってしまった生徒さんがいます。60歳過ぎから改装の依頼に応じて仕事をして、80歳を過ぎてから電気配線工事の国家資格（第二種電気工事）を取得。今年で90歳を迎えるというのに毎月コンスタントに仕事の注文がくるというのですから驚きです。声楽のレッスンにも毎週お元気に通われています。

昨年9月に96歳で亡くなられたイギリスのエリザベス女王が、亡くなる2日前にリズ・トラス首相任命式を行ったというのは記憶に新しいところですが、96歳まで仕事をされ、倒れて2日で亡くなられるなんて、随分と格好の良い生き方❗と憧れます。

90歳の生徒さんではないですが、生涯現役というのは、本当に美しい生き方だと思います。

ソレイユ総合音楽教室は今年で40周年、96歳まで仕事を続けられるとすると、これまでソレイユで働いてきたのと同じくらいの時間が自分にはまだ残されていることになります。これから何人くらい世界レベルで活躍できる音楽家を育てていけるか、と思うとワクワクしてきます（これ、マジメな話❗‘’夢は大きく‘’がモットーですから）。勿論、音楽家だけでなく、音楽を通じて人格を形成し、社会に貢献する人材を育てるのも、私たちの仕事と考えます❗

そんなに働かなくても…、という声が聞こえますが、働く期間を区切らないことで、世の中の役に立つ時間が増えると考えるのは心躍ります。（今お預かりしている赤ちゃんたちの子供の世代まで見守ることが出来るのですから❗）

これから40年、これまでの仕事のうち、反省すべき点は反省し、常に良い教育方法を取り入れながら情熱を掛けて取り組んでまいります❗

それには身体のケアが大切。バランスの良い食事を摂り、休息も上手に取り入れながら（時にはガーデニングをしたりして憩いながら…）息長く歩んでいこうと思っています。