エリザベート王妃国際音楽コンクール結果発表
昨年開催の予定が、コロナ禍により1年延期になったエリザベート王妃国際音楽コンクールピアノ部門ですが、今年は無事開催され、長い長いコンクール期間を経て、5月29日に結果が発表になりました。
結果は、次の通りです。
1位
Jonathan FORNEL
(フランス)
2位
Sergei REDKIN
(ロシア)
3位
務川慧悟4位
阪田知樹5位
Vitaly STARIKOV
(ロシア)6位
Dimitry SIN
(ロシア)世界3大コンクールの1つということもあり、日本人2名の入賞は、メディアでも大きく取り上げられました。
先日のblogでも紹介しましたが、このコンクールには、他のコンクールと違うユニークな審査があります。セミファイナル発表の後、新作コンチェルトの譜面を渡され、1週間で音取りし、その曲を独力で仕上げ、ファイナルでオーケストラとともに演奏するという怖い怖い審査。
1週間、外との通信手段を断たれ、携帯もパソコンも没収されます。
誰の意見も取り入れることなく、自分1人で仕上げなくてはなりません。
このコンクールのコンチェルタントたちの年齢が高いのは、そのような究極の能力を求められていることも関係しているかもしれません。
ライブ配信もされましたが、動画を鑑賞することもでき(いつまで保存されているかは不明)、コンチェルタントたちの素晴らしい演奏を聴くことができます。
生で聴いた訳ではないので、あくまで動画を聴いての感想ですが、新作も持ち曲も、上手い人は音色が違う、と思いました。
あの激戦を制したファイナリスト6名ですから、皆さん名手ばかりです。
それでも、ハッと心を奪われたり、とろけるような響きに魅了されたりなど、変幻自在に音色を操る恐るべき20代の若者が数名いて、その人たちが上位入賞していたのは納得でした。
1位のJonathan FORNEL氏は、私の敬愛するミッシェル・ダルベルト氏のお弟子で、音の魔術師と私が勝手に命名している師匠似の、表現豊かなブラームス2番コンチェルトを聴かせてくれました。
世界ツアーも予定されるでしょうから、是非、生で聴いてみたいものです。
オリンピックのアスリートの物語も感動しますが、ピアノコンクールの、演奏時間の長さ(予選からファイナルまで5ラウンドあり、1ラウンドが1時間近いものもある)と頂点の高さは、ほかに類をみない熾烈なもので、大きな感動を生むのも納得です。
だから、世界中の人が関心をもち、固唾を飲んで見守るのでしょう。
大きな感動を与えてくれた若きコンチェルタントたちには輝かしい未来が待っています❗
彼らを称え、心から拍手を送りたいと思います❗