ソレイユニュース 2022年5月号
卒業生の鴨川孟平君が、東京藝術大学奏楽堂モーニング・コンサート2022に出演します。
学部3年生の時に行われたコンチェルトオーディション(学年末試験)に合格し、合わせて宮田亮平奨学金賞を受賞しました。
このモーニング・コンサート、ソレイユでは、ピアノの細田秀一先生、チェロの齋藤章一先生、作曲の向井耕平先生が出演されています。
管・打楽器(フルート・サックス・クラリネット・オーボエ・トランペット・チューバ・ユーホニューム・ファゴット・ホルン・トロンボーン・マリンバ・他の打楽器)から学部4年生7名、弦楽器(ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバス・ハープ)から学部4年生が6名、作曲から学部4年生4名、ピアノから学部3年生3名と学部4年生が3名ずつの計26名(今年は、同点3位の方たちがいるため、1名増しの27名)が、2022年5月12日から2023年3月16日まで、13回に分けてそれぞれ2名ずつ藝大フィルハーモニア管弦楽団とコンチェルトを共演します。藝大フィルはプロのオーケストラですから、共演の機会をいただけるのは何とも有難い経験になります。
今回は、コンチェルトオーディションで弾いた曲、チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番を演奏します。30分に及ぶコンチェルトを藝大奏楽堂で弾かせていただけるのもまたとない機会で、このチャンスを与えてもらったことに感謝するばかりです。
同日出演予定のもう1人の出演者は、藝大とパリ国立コンセルヴァトワールの両校に在籍しながら研鑽を積んでいるサクソフォーン奏者山本航司さんで、リヒャルト・シュトラウスのオーボエ協奏曲を演奏します。こちらも楽しみですね。指揮は、ピアノと指揮の両刀で活躍されている迫昭嘉教授が担当されます。
コロナ禍中に短大に入学した2020年入学の学生は、入学式もなく、授業はリモート、丸々2年間友人の顔を見ず卒業に至った人も多いと聞き、その不平等な運命に唖然とするばかりです。
大学1年生を通常通り送れただけでも2020年度入学生より恵まれていたとはいえ、貴重な青春の大学2・3年生を、レッスン以外登校禁止という厳しい制限の中、友人に会う機会も持てず、コンサートも軒並み中止になる状況で学生生活を送らなければいけなかったのは辛いことだったと思います。
この4月から、藝大はレッスン以外登校禁止の措置も解除され、授業も対面に戻りました。大学に通う姿を見ると本当に嬉しそうで喜びに溢れて見えます。
かつて、第1次・第2次世界大戦中、キャリアが中断したヴィルトゥオーゾたちの逸話を読んだことがありましたが、遠い国の昔話と同様の事態が、現実に起こった2年間でした。
第2次世界大戦後、怒涛の如くクラシック音楽界の才能が開花します。
オペラ界ではマリオ・デル・モナコやマリア・カラスが活躍し、トスカニーニ、カラヤン、ベーム、バーンスタインなど、スター指揮者が生まれました。
クライスラー、ハイフェッツ、スターン、パールマンなどのヴァイオリニスト、フルニエ、ロストポーヴィッチなどのチェロ奏者が世界中を飛び回り、ピアニストでは、ゼルキン、リヒテル、ホロヴィッツ、ルービンシュタインなどがそれぞれ独自のカラーで熱狂的なファンを獲得しました。
世界中の鬱屈さした感情を、表現する側も、それを鑑賞する側も、一気に解き放つことが出来たためでしょう。
コロナ禍での2年間の隔離状態からようやく解放された音楽家たちは、今、演奏することを心から喜んでいるように見えます。
2022年度 第2回モーニング・コンサートは、6月9日(木)AM11:00から開催されます。
チケットはチケットぴあ(https://t.pia.jp/)、ヴォートル・チケットセンター(TEL03-5355-1280)で取り扱っています。
6月8日(水)まで、購入できますので(当日券はありません)、ご興味のある方は、お早めにお求めください。