ピアニストの系図
大学のピアノ科教授のレッスン室の壁に貼ってあったと、生徒が写メしてきました。
ベートーヴェン、ショパン、リストといった伝説のピアニストたちまで辿れるピアニストたちの系図です。
以前から、先生の系図には興味があり、『音楽の友』誌の特集記事(ヴァイオリンやピアノなど)を読んできましたが、このように系図になったものを目にするのははじめてで、心躍ります。ショパンがどのようなことを心掛けて教えたかなどを細かく記した、ショパンの弟子たちの証言による著作なども出版されていますが、書かれたものから読み解いていくのと、口頭で先生の演奏を身近に聴きながらの伝承とでは、伝わり方が違うのは、誰でも想像できます。
ショパンの弟子の、そのまた弟子の、孫弟子の…、人から人への伝承は、伝える人によってニュアンスが変化していくのは避けられません。
しかし、ショパンからの伝承であることには違いはなく、ロシア人が受け継いだショパンの奏法は、ネイガウスからドロップを経てアヴデーエワに、フランス人が受け継いだショパンは、コルトー、ペルルミューテルを経てルヴィエやダルベルトにと、現代まで続いているのです。写真には写っていませんが、ベートーヴェンをルーツとするロシアのピアニストの系図の中に、大学の教授のお名前が記されていて、その下に、先生の手書きで、“あなた方”の文字が(これも、心躍ります❗)。
伝統的なピアノ教育を日本で受けられる生徒さんたちは、幸せです。
綿々と伝えられてきた技法をしっかり習得した後、それを自分の演奏で充分発揮し、そして次の世代にその歴史を繋いでいく責任を担う、彼らは何て素敵な境遇に身を置いているのだろうと、羨ましくなりました❗
切れてない系図もありますから、御興味のある方は、見にいらしてください❗